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エステ機器の耐用年数とは?減価償却の計算方法も解説

エステ機器の耐用年数とは?減価償却の計算方法も解説
エステ機器には耐用年数が定められており、業務用エステ機器など高額設備を導入した際には減価償却を行う必要があります。エステサロン経営において減価償却費計上した経理は欠かせません。今回は、エステ機器の耐用年数や減価償却の計算方法について解説します。

耐用年数と耐久年数の違い

耐用年数と耐久年数はどちらも「この機器・設備は、これくらいの年数を使えます」という目安を表すものです。違いとしては、法律によって定められているか、メーカーが提示しているかという点になります。

 1.耐用年数

耐用年数とは法律によって定められた使用年数の目安です。エステ機器などの高額機械・設備は、購入金額を一度に計上するのではなく、減価償却を行なって数年間にわたって計上するものと決まっています(減価償却の必要性については後述)。

使用期間に応じてだんだんと価値を喪失していく資産においては、その全てに耐用年数が定められています。

 2.耐久年数

耐久年数とは、メーカーが独自に定めた使用年数の目安です。何を根拠とするかはメーカーによって違うため、同じようなエステ機器であっても耐久年数が異なる場合があります。また、あくまで推定のため必ずしも耐久年数内に故障しないとは限りません。

耐久年数が長いエステ機器ほど長く使える可能性はありますが、メーカーが何を根拠としているのかなどを調査した上で情報を参考にしましょう。

エステ機器の耐用年数目安

会社が経理処理を行う上で、お金の流れを整理するために使われる分類項目のことを勘定科目と言います。エステ機器の勘定科目は「器具備品 7.理容又は美容機器」に分類されます。

「器具備品 7.理容又は美容機器」において定められている耐用年数は5年なので、エステサロンに導入する業務用エステ機器は5年にわたって減価償却を行う必要があります。これはあくまでも法律で定められた使用年数のため、使用頻度や使い方によって実際の耐用年数は変化します。

また、エステ機器はパーツ交換が必要なものも多いため、実際の使用年数はメーカーが提示する耐久年数を参考にしてみましょう。

ちなみにエステ機器の他に、エステサロンで使用される機器・器具の耐用年数は下記の通りです。

施術用ベッド8年
接客用の家具5年
事務用のパソコン4年
レジ5年
家電品5年または6年
室内装飾品(金属製)15年
室内装飾品(その他)8年

エステ機器の減価償却について

エステ機器の減価償却について

そもそも減価償却とはどういった制度なのか?エステサロン経営では欠かせない制度なので、ここからは減価償却について解説していきます。

 1.減価償却とは

減価償却とは経理処理の必要な資産において、一括で経費計上するのではなく法律で決められた耐用年数に応じて計上する制度を指します。

たとえば2,000,000円の業務用エステ機器を購入した場合、その年に2,000,000円の経費を計上するのではなく、エステ機器の耐用年数である5年に渡って計上していくのです。

「定額法」で減価償却する場合は通期ごとに400,000円を経費計上し、5年目に資産価値がなくなるようにします(最終的には残存価格として1円残す)。

 2.なぜ減価償却費を計上するのか

経理処理として減価償却費を計上する理由は、「企業の利益を正しく知るため」です。

では、過去5年間の平均売上高が50,000,000円のエステサロンがあると仮定します。このサロンは今期、5,000,000円の業務用エステ機器を購入しました。この購入金額を一括で経費計上すると、今期の利益は例年と比べてガクッと下がることになります。設備投資が重なった年はさらに下がり、赤字計上になるかもしれません。

お客様はしっかり来店しているし利益も上げているのに赤字計上となると、経理上の数値と実績がちぐはぐになってしまいます。すると銀行からの融資を打ち切られたり、株主が会社の業績を正しく判断できなかったりと、さまざまな問題が発生するのです。

だからこそ減価償却を行い、資産額を一括ではなく分割で経費計上していくことが大切なのです。

ただし、100,000円未満の少額減価償却資産に関しては全額を一括償却できるという特例があります。

たとえばお客様情報を管理するためのソフトを80,000円で購入したとしましょう。ソフトウェアの耐用年数は5年ですが、購入したソフトは100,000円未満なので一括償却が認められます。

一方で、接客用に70,000円のソファーと60,000円のテーブルを購入した場合、これらは1組の資産として考えます。したがってそれぞれを一括償却するのではなく、ソファーとテーブルを合わせて150,000円の資産と考え、減価償却費として経費計上します。

 3.減価償却費計算に必要な要素

続いて減価償却費の計算に必要な3つの要素について解説します。

  • 取得価格

取得価格とはエステ機器の購入価格と、それに付随して支払った費用を合計したものを指します。主な付随費用とは運送費、荷役費、設置費、手数料、保険料などが該当します。

  • 法定耐用年数

法定耐用年数とは、本記事でご紹介している「耐用年数」のことです。

減価償却対象となる固定資産には法律で決められた耐用年数があり、前述のようにエステ機器の耐用年数は5年です。

  • 減価償却計算方法

減価償却費を計算する方法は「定額法」と「定率法」の2種類があります。最終的な経費計上額は同じですが、通期ごとの減価償却費が変わります。

 4.減価償却費の計算方法

ここからは、「定額法」と「定率法」の計算方法についてご紹介します。

  • 定額法

「定額法」とは毎期同じ減価償却費を計上する方法です。エステ機器の耐用年数は5年なので、取得価格を5で割って算出された金額を毎期計上します。減価償却の最終年度には残存価格の1円を引いた金額を計上します。

<エステ機器を2,000,000円で購入した場合>

2,000,000円÷5年=400,000円/通期

1年目  :400,000円
2年目  :400,000円
3年目  :400,000円
4年目  :400,000円
5年目  :399,000円
残存価値:1円
合計金額:2,000,000円

  • 定率法

「定率法」とは毎期一定の割合で減価償却費を計上する方法です。取得価格に、耐用年数ごとに定められた償却率をかけて減価償却費を計算し、なおかつ保証率をかけた金額を下回ってはいけないなどのルールがあります。

<エステ機器を2,000,000円で購入した場合>

償却率  :40%
改定償却率:50%
保証率  :10.8%

1年目  :800,000円
2年目  :480,000円
3年目  :288,000円

※ここまでの減価償却によって残存価格は432,000円となり、4年目も償却率40%を適用すると取得価格2,000,000円に保証率10.8%をかけた金額(216,000円)を下回ってしまいます。したがって4年目からは改定償却率50%を適用する

4年目  :216,000円
5年目  :215,999円
残存価格:1円
合計金額:2,000,000円

「定率法」はエステ機器購入年度の節税効果が期待できますが、経理処理が複雑なので「定率法」を選択する場合は税理士に相談しましょう。

 5.減価償却の注意点

減価償却にはいくつか注意点があるので、ここでまとめておきます。

  • 中古品として購入したエステ機器は耐用年数ではなく、使用可能期間で耐用年数を見積もる
  • 減価償却費を計上し始めるのは購入した日付ではなく、事業用として供した日付である
  • エステ機器の修理費用や部品交換費用などは減価償却費にはならない
  • 減価償却を過ぎたエステ機器を廃棄する場合は、残存価格1円の当該資産を仕訳から「除却」する

減価償却という仕組み自体はシンプルですが、経理処理には複雑なルールがあるため自分で処理する自信がない場合は税理士に依頼しましょう。

まとめ

今回はエステ機器の耐用年数や減価償却についてご紹介しました。エステサロン開業・経営には機器購入とそれに伴う減価償却が欠かせないので、この機会に減価償却に対する知識を深めておきましょう。

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